メタノールの価格

スポンサードリンク

メタノール価格は、市場規模が石油や天然ガスなどに比べると大きくないので、需要バランスの不均衡によって価格が乱高下する傾向があります。

ここ最近の日本国内におけるメタノール価格の推移をみると、2007年9月から11月にかけて価格が急激に4割も上昇しましたが、2008年になると価格上昇はおさまり、現在のところ高止まりしているようです。

メタノールとは

メタノールは、基礎化学品のひとつです。主にホルマリンや酢酸などの化学品製造の原料として利用されています。

ホルマリンは、殺菌剤や防腐剤という用途で知られているほかに、尿素やメラミン樹脂、ポリ汗タール樹脂などの製造原料に用いられます。

現在のところ、ホルマリンの需要は、メタノール全需要の35%と最大を占めていますが、今後この需要は横ばいになるとみられています。

酢酸は、食用酢の主成分であるほか、繊維、フィルム、医薬品の原料として幅広い用途があります。

酢酸は従来アセトアルデヒドから製造されていましたが、現在はメタノールと一酸化炭素から合成する方法にかわりつつあるので、今後需要が伸びるとみられています。
全世界的にみると、ガソリン無鉛化に伴い、エネルギー効率向上のためにガソリンに添加されるMTBEの材料としての需要が増加していますが、日本ではまだ一般に必要とされていません。

また、メタノールは、工業材料として欠かせない汎用プラスチックのポリエチレンやポリプロピレンの原料にもなりますので、メタノール価格の上昇は、プラスチック価格の上昇にもつながります。

メタノールの燃料としての利用

メタノールの用途として、最近注目されているのは、メタノールの常温で液体なので、輸送貯蔵などの取り扱いが容易である、硫黄、窒素、重金属などの不純物が少ないので環境にやさしい、燃焼速度が高い、エネルギー効率がよいなど、燃料としても優れた特性を利用する、燃料という利用方法です。

特に、最近の原油価格の高騰に伴い、燃料としての需要が今後高まることが予想されます。
このため、メタノール価格はまだ上昇する可能性もあります。
最近では、廃プラスチックを利用してメタノールを製造する方法や、バイオマスを原料にしてメタノールを製造する方法や、二酸化炭素と水素からメタノールを製造する方法についての研究がさかんに行われています。

特にバイオマスを原料にして製造する方法が注目されていて、サトウキビやトウモロコシを原料にして利用することが全世界的に行われています。
しかし、このことが原因となる穀物価格の上昇が問題になっています。

スポンサードリンク